GIMPを使い始めて、「レイヤーって何?」 と戸惑っていませんか?
GIMPなどの画像編集ソフトでは、「レイヤー」は基本の概念なので、しっかり理解しておきましょう。
ここでは、使い始めたばかりの初心者の方向けに、
- レイヤーとは?
- レイヤーの使い方
を分かりやすくご説明します。
レイヤーを理解すれば、GIMPは簡単に操作できます!
目次
※項目をクリックすると該当箇所へ飛ぶことができます。
2-1. 新規レイヤーの追加
2-2. レイヤー名の変更
2-3. レイヤーの削除
2-4. レイヤーの表示・非表示
2-5. レイヤーの並べ替え
2-6. レイヤーの複製
2-7. レイヤーの不透明度
1. レイヤーとは?
「レイヤーって何!?」 という方に、画像の例を使いながらご説明します。
まず、レイヤーとは、画像の “ 階層 ” のようなものです。
GIMPでは、透明フィルムのような層を重ね合わせて1枚の画像を表現します。
何も描かれていない部分は透明になるので、下のレイヤーが透けて見えます。
では、実際の画像の例で見てみましょう。
レイヤーを利用した画像の例
この画像は、1枚の画像ですよね。
しかし、実際には下図のようにパーツごとにレイヤーを分けて複数のレイヤー(透明フィルム)で構成されています。
透明の部分は、下が透けて見えるので、上から見ると1枚の画像になります。
グレーのチェック柄は、GIMPでは透明を意味します。
このように、1つの画像をパーツごとにレイヤーを分けて構成することで、パーツを編集したい時には、“ 編集したいパーツだけ ” に手を加えることが出来ます。
では、具体例を見てみましょう。
- 例1 ) 犬が、文字の背面に入るようにして、文字全体を表示したい。
「犬のレイヤー」 を 「文字のレイヤー」 の下に移動し、下図のようにレイヤーの順番を変えます。
すると、犬が文字の背面に移動し、犬に隠れずに文字全体が表示されます。
- 例2 ) 犬の上側の文字だけ移動したい。
移動したい文字のレイヤー上で、文字を移動して、
このようなレイヤー構造にします。
これで、上の文字だけ移動されました。
このように、レイヤー構造にすると、各レイヤーに対して個別に「移動」、「変形」、「色調整」、「フィルター処理」などの加工が出来ます。
使い始めは慣れないと思いますが、慣れると効率がUPするので、さっそく次項で、レイヤーの使い方を確認しましょう。
2. レイヤーの使い方
「レイヤーがどのような順番で重なっているか」 などのレイヤー情報は、「レイヤーダイアログ」 で確認できます。
レイヤーダイアログを表示するには、まず、「ウィンドウ」 → 「ドッキング可能なダイアログ」 → 「レイヤー」 を選択します。
すると、「レイヤーダイアログ」 が表示され、レイヤーが重なっている順番に上から表示されています。
レイヤーダイアログで、あらゆるレイヤー操作が出来ます。
ひとつずつご紹介します。
2-1. 新規レイヤーの追加
1. レイヤーダイアログの 「新しいレイヤーの追加」 をクリックします。
2. 以下を入力し、「OK」 をクリックします。
①レイヤー名
レイヤーダイアログに表示されるレイヤー名を入力します。
②幅、高さ
追加するレイヤーの幅と高さを入力します。
③レイヤーの塗りつぶし方法
追加するレイヤーの塗りつぶしの色を選択します。
「透明」を選択すると、何も描かれていない部分は透明になり、下のレイヤーが透けて見えます。
3. 新しいレイヤーが追加されます。
画像にパーツを追加したい時は、新規追加したレイヤーに新しいパーツを作成していきます。
2-2. レイヤー名の変更
作成したレイヤーの名前はいつでも変更できます。
1. 変更したいレイヤーのレイヤー名をダブルクリックすると、レイヤー名が反転します。
2. 新しいレイヤー名を入力し、「Enter キー」をクリックすると、
レイヤー名が変更されます。
2-3. レイヤーの削除
1. この画像の 犬を削除してみます。
削除したいレイヤーを選択し、「レイヤーの削除」 をクリックします。
2. すると、レイヤーは削除され、レイヤーダイアログに削除したレイヤーが表示されなくなりました。
画像上でも、犬が削除されています。
削除したレイヤーを戻したい場合は、「Ctrl キー」 と 「Z キー」 を同時に押すと戻せます。
レイヤーを削除せずに、「非表示」 にする方法もあるので、次項でご紹介します。
2-4. レイヤーの表示・非表示
レイヤーダイアログで各レイヤーの 「目のアイコン」 をクリックすると、「表示」 と 「非表示」 を切り替えできます。
不要なレイヤーを非表示にして編集しやすくしたり、イラストの一部を変更するのに便利です。
1. この画像の上の文字を非表示にします。
2. 非表示にするレイヤーの 「目のアイコン」 をクリックします。
3. すると、「目のアイコン」 が消え、選択したレイヤーが非表示になり、
上の文字が消えました。
4. 再び表示するには、目のアイコンのあった場所をもう一度クリックします。
2-5. レイヤーの並べ替え
レイヤーの重なる順番を入れ替えできます。
1. ここでは、この画像の犬を文字の背面に移動し、文字が犬に隠れずに表示されるようにしてみます。
まず、並べ替えしたいレイヤーを、レイヤーを並べ替える先までドラッグし、マウスを離します。
2. ドラッグした場所にレイヤーが並べ替えられました。
画像でも、犬が文字の背面に移動して、文字が犬に隠れずに表示されるようになっています。
並び替えをしたいレイヤーを選択し、「レイヤーを一段上に移動」 または、「レイヤーを一段下に移動」
をクリックして、一段ずつ移動することも出来ます。
2-6. レイヤーの複製
画像のパーツを使い回したい時には、レイヤーの複製で、パーツをコピーできます。
1. ここでは、この画像の犬を複製してみます。
まず、複製したいレイヤーを選択し、「レイヤーを複製」 をクリックします。
2. 指定したレイヤーが複製できました。
レイヤーを複製すると、「(複製元のレイヤー名) コピー」 という名前のレイヤーが追加されます。
同じ位置に同じ内容で複製されるので、「複製元のレイヤー」 と 「複製したレイヤー」 が重なり、画像上では複製されたことが確認できません。
「移動ツール」で移動してみると、複製されたことが分かります。
2-7. レイヤーの不透明度
レイヤーごとに 「不透明度」 を編集できます。
不透明度を下げると半透明になり、下のレイヤーが透けて見えます。
不透明度0%では完全な透明になります。
1. これが不透明度100%の画像です。
この画像の、犬の不透明度を調整していきます。
まず、不透明度を調整したいレイヤーをクリックし、不透明度のスライダーの右にある 「▼ボタン」 をクリックしていきます。
数値が下がるほど、透明になっていきます。
まとめ
レイヤーは慣れるまでは大変だと思いますが、GIMPでは基本中の基本の機能なのでしっかり理解しましょう。
GIMPの基本操作などは、別記事の「GIMP初心者の使い方講座:画面構成や基本操作がスムーズに分かる」を確認してください。